△地球温暖化とは・・・?

「地球温暖化」という言葉は、ここ数年になってから大きく騒がれるようになり、少なくとも一度は耳にした事があるかと思います。
さて、「地球温暖化」とは何かと聞かれれば、ある程度の説明がつくでしょう。そして、原因物質も報じられていますから、何となく分かると思います(後に詳しく説明します)。
そこで、詳しくどの様な物質が影響して、どういう事で温暖化につながるのかという事を化学的に知ると、とても身近な事に感じる事ができます。
というわけで今回はEEG講習(?)第二回として、地球温暖化の原因とその仕組みについて解説していきます。

と、ここで最初に、地球温暖化の定義をしておきます。
地球温暖化とは、地球全体の気温が上がる事です。
ですから、ある特定の場所(たとえば日本とか)の気温が何度上がったということではなく、地球レベルで気温が上がり、その結果、各地の気温が何度かあがるということなのです。
では、まず始めに地球温暖化に皮肉にも貢献していただいている方々・・・・・・・・・・・・・をご紹介します。

○二酸化炭素


この物質はもはや、地球温暖化の代名詞になってしまっていることでしょう。そう、二酸化炭素です。
二酸化炭素は、産業革命(=世界の産業が飛躍的に上がった時期)から大量に放出されるようになりました。
その発生源となっているものは、火力発電所自動車、そして飛行機です。
飛行機?と思われるかもしれませんが、これが恐ろしく大きな原因になっているのです。
二酸化炭素は主に、有機物(燃料、紙、木、エタノールなど、炭素の化合物)が燃える事で、水と共に大量に発生します。
また、生き物の呼吸などによっても排出されていて、その量は計り知れません。

○メタン


これは聞き慣れないものかもしれません。沼からボコボコと不気味に泡が出ている映像を見た事があるならば、その泡の正体です。
この物質は、生き物のげっぷや屁からも出てきますが、それによる影響は確かではありません。
メタンは有機物で、可燃性の気体です。そのため、燃焼して二酸化炭素が発生しますが、地球温暖化への影響は、二酸化炭素になった後よりもメタンとしての方が数百倍も大きいと言われます。
メタンは気体(=ガス)なので、一般にメタンガスと呼ばれています。

○オゾン


えぇ!?とおもわれると思いますが、オゾンも立派な地球温暖化物質です。
ただ、人間が誕生する前は、今と違って二酸化炭素量が少なかったため、地球の温度を適温に保つ物質として活躍していたのです。
しかし、この物質ばかりは地球から消してしまおうってな訳にはいかないので、他の物質を減らす努力が必要になります。
このように、地球温暖化とは良い物質をも悪者に変えてしまうのです!

○酸化窒素

この図では左から順に二酸化窒素一酸化二窒素一酸化窒素です。
ただ、一酸化窒素はとても反応性がよく、空気中ですぐに酸化されてしまうので二酸化窒素と考えて良いようです。
これらの物質の発生原因は、化石燃料(=石炭・石油など)の燃焼や航空機の飛行などによります。
ある文献によれば、化石燃料の燃焼で発生する酸化窒素の量は、年間で24Tg(=10億kg)とも言われています。

しかし、これらは自然界でも発生しうる物なんです。
その発生源はおもにです。この物質も生態系には重要な役割を果たします。
そのため、人間が現れる前から、雷によって発生しては生物によって取り込まれたりなんかしていたのです。
これらの別名は、窒素酸化物(NOx)ですが、NOxのxは未知数ということです。つまりは決まっていないという事。

○どうしこうなった?

さて、問題はここです。原因の物質が分かった所で、これらの気体があるからといって、なぜこうなってしまったのかという事です。
これらの気体は、先ほどもチラッと言ったように、自然界でも発生する物です。
窒素は雷によって高温になり、酸素と結合します。これが、自然界で発生する酸化窒素。
炭素は火山の噴火や生物の体内などで酸化されます。これが、自然界で発生する酸化窒素。
また、メタンは主に生物の体内で合成されて、外へ放出されます。
これらは地球の誕生と共に長い年月を経て、生物とのちょうどいい関係をたもっていたのです。
しかし、人間の文明が放出する量は半端な物ではなく、バランスが急激に崩れ始めました。そのために、問題視されてきたのです。

○どうして起こる?

では次に、どうして温暖化が起きるのか?というところへ行きましょう。 これは、簡単に言ってしまうと地球を巨大なビニールハウスにしてしまうからなんです。
・・・え? と思ったところでちょっと待ってください。今から説明をします。

始めに!気体などが上空に漂って熱がこもり、ビニールハウスのようになる事を温室効果と言います。ほら、ビニールハウスの事を温室といったりしますよね。そこから来ています。
また、温室効果を起こすような気体を温室効果ガスと言います。この温室効果ガスに当たるのが、上に挙げた二酸化炭素・メタンなどの気体です。

温室効果に必要なのは、温室効果ガスだけではありません。何といっても、そう。熱源が必要です
この熱源は主に太陽です。
太陽からの熱は、約30%が大気圏で跳ね返って、宇宙へと戻っていきます。しかし、約50%は地球の地表に達して、大気を暖めます。
この、50%入ってきた熱は放っておいてもゆっくりと宇宙へ逃げてゆきます。
しかし、温室効果ガスが多いと、熱が逃げてゆく速度が遅くなり、前に入ってきた熱が逃げてゆく間もなくどんどんと熱が入ってきて、もう通常の気温には戻れなくなってしまいます。
そう、これが地球温暖化です。下に図解しました。(画像は右に続きます。
通常の状態
温室効果ガスを多く含む状態


○それによる影響

さて、では解説が終わったところで次に、問題点となっているところを挙げましょう。
「海面上昇」・「異常気象」・「南極の氷が溶ける」などといったフレーズは今までに聞いたことがあるかと思います(無くてもOKですw)
では、温暖化が起きるとなぜこのような事態になるのでしょう?

 まず、南極には永久凍土や、氷山というものがあります。
これは読んで字のごとく、「永久に凍っている土」、また、「氷の山」のことです。

 さて、ここで少し想像してみてください。
並々と水が張っているコップに氷が浮いている状態があるとします。この氷は氷山に見立てたものです。
この状態では、当然氷が溶けてゆくので水があふれてきます。
そう、こういった現象が今、南極で起きているのです。

 今のコップの実験で水があふれた理由は、
@氷が溶けた。
Aコップの水面がコップの縁より高くなった。
というものでした。
これによって、氷が溶けると水面が上がる事が確認できました。これが海面上昇です。
氷が溶ける事によって水かさが増して、海面(実験ではコップの水の水面)が上がる(=上昇する)という現象です。

 南極では、地球が絶妙なバランスを保っていてくれたお陰で、水が固体(=氷)でいられるような気温にありました。
しかし、温暖化によって南極の気温も上がるので、水が固体でいられなくなり、液体(=水)へと変化していくわけです。
これによって、海面上昇という現象が起こるわけです。

 次に異常気象です。
大気の流れを気流といいますが、これは地球レベルの大風が吹いていると思えばいいです。
地球の気流は、太陽による熱などによって発生します。
「熱によって」という事は、気温に支配されているということになります。(ちょっと大げさ?)
つまりは、この気流さえも温暖化によっておかしくなるのです。
温暖化によってもたらされる異常気象の最も代表的なものとして異常高温があります。
異常高温とは、まさしく気温が高くなることです。
例年の冬では5℃が普通だったのが、10℃になってしまう といった具合です。
異常高温では当然、夏の気温も上がるわけですから、猛暑になります。
今年(2006年)の夏は、ほんの十年前には考えられなかったような気温が毎日のように続いています。(名古屋では35℃以上)

と、今挙げてきた三つの問題は、温暖化によって起こる異常気象のたった一つまみでしかありません
これは何を意味するかというと、温暖化はここに書き出せないほどの影響があるということなのです。

○ここまでを踏まえて

さぁ、ひとまずここで地球温暖化の説明が終了しました。
このように、地球の気温が上がるという事は大変な事なのです!
地球は今までに、何度か地球温暖化を繰り返したそうです。
しかし、その度に地球は生物・自然によって1000年単位の時間を掛けて元に戻っていったわけです。
こんな書き方をすると、放っておけば元に戻るのではないか?という考えが浮かぶかもしれません。
ですが、生存する生物までは元に戻せないのです!
今、温暖化によって絶滅の危機にさらされている生き物に、ホッキョクグマがいます。
ホッキョクグマは、ある学者達の話によればあと20年で姿を消すとも言われています。

 絶滅した生き物は、二度と帰ってはきません。
進化を続けて今に生きている生き物達が、どんどんその数を減らしているのです。
やがて、ほぼ間違いなく人間が絶滅する時も来るはずです
どうですか?自分達が絶滅すると考えみると、もう他人事とは考えられませんよね。
そう、この無念の気持ちを残して、考えられないほどの数の生き物が絶滅していったのです。

 1000年先の未来には、新しい生き物が生まれているかもしれません。
しかし、今に生きている生き物が1000年先に生きていてもいいはずです。
人間が生まれてから絶滅した生き物は、そのほとんどが人間によって絶滅させられたのです。

 今まで地球の大きな変動によってしか起こりえなかった地球温暖化が、生物の一種である人間によって起こされているのです。
地球温暖化と絶滅は、切っても切り離せない関係にあります。
温暖化が起きれば何かの生き物が絶滅する。これが地球のルールなのです
そんな、生き物の大量虐殺につながりえない地球温暖化を、このままにしておいていいはずがありません!
さぁ!みんなで力を合わせて地球温暖化を食い止めましょう!


と、締めくくりが微妙ですみません。地球温暖化を食い止める方法などに関してはまた後ほど追加します
長くなってしまいましたが、これでEEG講習(?)第二回を終わりたいと思います。 疑問や質問、おかしな点があれば、「雑談の間」の北海道エリアに書き込みをお願いしますw

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