6回目の実験コーナーです。さて、わたしが紹介してきた以外のもので、忘れてはいけない試薬があります。
・・・そう、石灰水です。
石灰水と言えば、二酸化炭素の検出に使われる、水酸化カルシウムの水溶液のことですが、こいつが上手く作りにくいんです。
運動場のラインは水酸化カルシウム(=消石灰)ですが、放置してあるので空気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムになっている事が多く、石灰水作りには向いていません。
また、原理としては貝殻や卵の殻を高温で熱してすぐに水につけると言った事でできますが、こいつもかなりしんどい。
かと言って薬局などで買おうとすると300円前後などという微妙なお値段・・・。
そこで、この石灰水を、楽に、タダで作ってしまおうと言うのです!!!!
とりあえず、詳しい説明は後にして、材料の確認をしていきましょう。(今回も画像無しでお願いします・・・w)

使用する薬品類
  1. 生石灰乾燥剤(海苔やお菓子に入っている乾燥剤)
  2. 水(水道水でOKです)


使用する道具類
  1. 大き目のペットボトル(大きければ大きいほどいいですが、小さくても問題ありません)


以上ですが、これは異例の少なさ(どうでもいい
さて、では詳しい説明をしていきます。
まず、生石灰乾燥剤とありますが、これは海苔やスナック菓子の袋に入っている乾燥剤で、商品が湿気るのを防いでいます。
ちなみにこれは小袋に入っている事が多く、「開けない、食べない、濡らさない」などと書いてあります。が、今回はこのうちの2つを無視します。
無視する項目は、「開けない、濡らさない」です。袋を開けて使いますし、水に浸けます。
ただ、ここで注意して欲しい事があります。生石灰乾燥剤は、なるべく新しい物を使用してください。
あまり放置しすぎた物だと、変質してうまく行かないことがあります。
また、これに似た物(?)に、「エージレス」というのがありますが、これは主成分が鉄で全くの別物なので、使用しないで下さい。必ず、「生石灰乾燥剤」といった事が表記されている物を使用してください。 とまぁここまで説明した所で作っていきましょう!

@生石灰乾燥剤の袋を破り、中身の粉(粒状の場合もあります)をペットボトルに空ける。 と、軽く注意です。この時、なるべくこぼさないように気をつけてください。

A @のペットボトルに水を注ぐ ここでも注意です。この時、発熱をすることがありますが、特に驚かないで下さい。
また、なるべく冷たい水を使用してください。(お湯でなければ基本的にOK)

Bペットボトルを振り、水が粉で真っ白になるようにし、放置する。
この粉は水に溶けきらないので、ペットボトルに沈むのを待ちます。

あとは、白い粉がペットボトルの底に全て沈めば完成です。 さて、では解説をしていきます。
まず、生石灰乾燥剤の中身は酸化カルシウムという物質です。
これが水と反応することでCaO + H2O → Ca(OH)2によって水酸化カルシウムになります。これが石灰水の素。
水酸化カルシウムが水に溶ける事によって石灰水になります。ただ、水酸化カルシウムは、他の物質と少し違って、温度が上がれば上がるほど水に溶けにくくなるという性質があります。
だから、Aで冷たい水を使って欲しいわけです。
できた石灰水は空気中の二酸化炭素と反応してしまうので、蓋をしめて保存するようにしてください。
また、石灰水が無くなってしまった時は、水を継ぎ足す事でまた石灰水が出来上がるので、石灰水が切れたからと言って白い粉を捨てたりしない方がいいと思います。

ちなみに、この石灰水をタダで作る計画は二年前(2004年)から考えていて、ずっと失敗続きでした。ですから、今回成功した事で二年越しの努力が実を結んだと言えます。
では、補足程度に二酸化炭素によって石灰水が白くにごる仕組みを下に解説します
まず、石灰水は水酸化カルシウム(CaOH2)の水溶液です。なので、二酸化炭素と反応すると

Ca(OH)2(水酸化カルシウム) + CO2 → CaCO3(炭酸カルシウム) + H2O

炭酸カルシウムと水が出来ます。この炭酸カルシウムが水に溶けにくいので、水が真っ白に濁るんです。
これは、中和反応であるといえますね。この反応が空気中の二酸化炭素と十分に起こりうるので、フタのできる容器に保存しておく必要があるんですね。

では、今回もそろそろこの辺で終わりたいと思います。
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